私の入院した松島病院では、痔の手術を受ける前に内視鏡検査が必要でした。
本来は前日よりも前に受けることもできたようですが、私は遠方からの入院のため入院翌日に内視鏡検査を行い、その翌日に手術予定が組まれた入院日程となりました。
いぼ痔の恐怖に打ち勝ち、いぼ痔手術系(ほぼ)ノンフィクションサイトの主役を務めることになった千葉県出身の伊保 治郎(43)です。
「いほ はるろう」と読みます。(「いぼじろう」ではありません!)
いぼ痔手術の最前線で、いぼ痔完治に身を捧げた伊保 治郎の、イボのない生活を追求した軌跡をお届けするため、この「いぼ痔サポートセンター」を立ち上げました。
このページの情報はイボ痔による不具合を改善したい筆者(患者)が、治療を受けるか判断するために調べた情報を非医療従事者である筆者個人の見解でまとめた記事で構成されています。従って筆者が見聞きした情報源の正確性の保証はもとより、誤訳・誤解釈による見解が述べられている可能性があることを予めご了承ください。
痔の手術前に内視鏡検査をする理由
痔の手術前に内視鏡検査をする理由は、主に以下の2つです。
- 痔の種類や状態を正確に診断するため
- 痔以外の疾患を見逃さないため
痔には、いぼ痔(痔核)、切れ痔(裂肛)、痔ろう(痔瘻)の3種類があります。
それぞれの痔には、適切な治療法が異なります。
例えば、いぼ痔には結紮切除術やALTA療法などがありますが、切れ痔や痔ろうには効果がありません。
また、いぼ痔の中でも、肛門内部にできる内痔核と肛門外部にできる外痔核では、手術の方法や難易度が変わります。
そのため、手術前に内視鏡検査で、痔の種類や大きさ、位置、数などを確認することで処置漏れを軽減することができるのです。
また、内視鏡検査は、痔以外の肛門や直腸の疾患を見逃さないためにも重要です。
特に、クローン病や潰瘍性大腸炎という腸の炎症性疾患や、直腸癌という悪性腫瘍は、注意が必要です。これらの疾患は、いぼ痔や切れ痔と似たような症状を引き起こすことがありますが、治療法は全く異なります。
例えば、クローン病が原因で起こった痔ろうに対して、通常の手術を行うと傷が治らず悪化することがあります。
そのため、手術前に内視鏡検査で、クローン病や直腸癌などの有無を確認することが必要なのです。
以上のように、手術前に内視鏡検査をすることは、適切な治療法を選択し、合併症や再発を防ぐために重要な行程となっていることがお分かりいただけたかと思います。
内視鏡検査は無駄なものではないので、拒まずむしろ積極的に受けるべきです。
第1食:入院1日目の夕食は「低残渣検査食」
夕食の時間になると、看護師さんがお皿を持ってきてくれました。
お皿の上には、茶色い塊が一つありました。
それが何なのかは食べても分かりませんでした。
魚のような気もしましたが、確信はありません。そのぐらい謎のタンパク質だったのです。
それ以外には、全粥と具のない味噌汁のみ。
明日は大腸内視鏡検査を受けるので、今日の食事は腸の中を空にするためのものだそうです。
茶色い塊は、たんぱく質を補給するために必要なものだと言われました。
でも、どうやって調理されたのかは教えてくれませんでした。
松島病院の栄養科は、どんな食材でも食べられるようにするミラクルな技術を持っているようです。茶色い塊も、不味くはありませんでした。むしろ、しっかりとした味付けがされていて、食欲をそそりました。それをご飯と一緒に食べると、満足感がありました。
夕食を終えると、さっそく看護師さんが下剤を持ってきてくれました。
夕食の配膳からたったの30分しか経っていません。
18:30には飲むように言われました。
なぜこの時間なのかは分かりませんでしたが、従いました。
下剤を飲んだ後は、消灯までに500mlの水分を摂るように指示されました。
水分補給は排便のために重要なのだそうです。
入院中の食事メニューに関する基本情報はこちらで紹介しています。
第2食:入院2日目の朝食は「マグコロールP」
松島病院の朝ごはんは通常8:00頃から提供されるのですが、検査日の朝は食事を抜いて腸の洗浄液を飲まなければなりませんでした。
AM6:00頃に看護師さんから洗浄液「マグコロールP」の入ったペットボトルを渡され、2時間かけてゆっくりと2リットル分を飲みきるように言われました。
マグコロールPはポカリスエットのような味でしたが、とても濃くて甘かったです。
そして飲むとすぐにお腹がグルグルと鳴り始め、トイレに駆け込むことになりました。
看護師さんに排便回数をメモ帳に正の字で記録しておくように指示されていたので、私は言われた通り正の字を書き始めます。
検査日の朝は、洗浄液を飲んでトイレに行くことしかできないのだと思いました。
不安な気持ちが頭をよぎりましたが、検査のために必要なことだと思って耐えました。
洗浄液は苦手な味ではありませんでしたので、2リットルを飲み干すこと自体は苦痛ではなく、むしろ美味しかったと思いました。
そして、大腸がんではないことを証明するために9時頃、病院のステップワゴンに載せられて内視鏡検査を受けに移送されたのです。
大腸内視鏡検査とは
内視鏡検査を知らない人のために、まず流れをざっくり説明しますと
- 看護師さんに浣腸されて
- トイレに行って
- 最終チェックを受けて
- 検査ベッドに乗って
- 検査室に運ばれて
- 挨拶したら麻酔かけられて
- 起きたら終わっていた
という手順で進みます。
検査自体はなんてことのない検査です。
最終チェックというのは、つまり出した後に便器を確認してもらうということです。
検査の目的・方法
大腸の内視鏡検査は、直腸を含めた大腸全体を電子内視鏡で観察し、ポリープ、腫瘍、潰瘍、炎症などの病気が見つかった場合には、病変の一部を採取、顕微鏡で詳しく調べることもあります。
内視鏡検査は最も精密な大腸の検査法ですが、大腸のひだの裏の部分や残渣のために小さな病変が観察できない場合があるので、下剤や腸の洗浄液、浣腸を検査前に行い、できるだけ苦痛なく検査を受けるために鎮静剤や鎮痛剤の静脈注射を使います。
大腸内視鏡検査のリスク
検査中、稀に出血や穿孔(せんこう・穴が開くこと)などの合併症を生じることがあり、入院、緊急手術が必要になる場合があります。合併症の頻度は0.008%なのでリスクよりもメリットの方が極めて高い検査と言えます。
精密な検査法
大腸内視鏡検査とは、おしりから内視鏡を入れて大腸の粘膜を直接観察し、大腸の病気(腸のただれ、きず、ポリープ、癌)やその他の微細な病変を診断する検査です。
検査に用いる内視鏡は、最新の技術を駆使した超小型の高感度電子カメラ搭載の柔らかく細長いチューブです。
大腸の粘膜を電子カメラでモニター上に映し出しながら観察するそうです。(私は寝ていたのでよくわかりません。)
大腸内視鏡検査の流れ
内視鏡検査とは、肛門から細い管状のカメラ(内視鏡)を挿入し、直腸や大腸の内部を観察する検査です。
内視鏡には、光源やレンズ、水や空気を送るチューブなどがついています。
内視鏡検査では、以下のような流れで行われます。
- 検査前には、下剤や浣腸などで便を出し、腸をきれいにします。
- 検査室に入ると、ガウンに着替えてベッドに横になります。
- 肛門に麻酔クリームを塗り、痛みを和らげます。
- 肛門から内視鏡をゆっくりと挿入し、直腸や大腸の内壁を確認します。
- 内視鏡についているチューブから水や空気を送り、腸をふくらませて見やすくします。
- 内視鏡の先端についているカメラで撮影した映像がモニターに映し出されます。
- 異常が見つかった場合は、内視鏡についている器具で組織を採取したり、ポリープを切除したりします。
- 検査が終わると、内視鏡を抜きます。
- 検査後は、水や空気が残っていることがあるので、おならが出やすくなります。また、少量の出血があることもありますが、通常は問題ありません。
内視鏡検査は、痛みや不快感を感じることがありますが、大きなリスクは低い検査です。
大腸内視鏡検査を受けた感想:無痛で苦痛なし
私は検査室に入って挨拶をした後は何も覚えていないので、痛みや苦しみは全く感じませんでした。
検査にかかった時間は約10分だったと思います。
胃の内視鏡検査とは違って、大腸内視鏡検査では腸の中をきれいに空っぽにしなければならないので、その準備が一番大変でした。
検査室に入る前に、下剤や浣腸液を飲んだり注入したりして、腸の中の便を出し切らなければなりません。それがとても辛くて、トイレに何度も行かなければならなかったし、お腹も痛かったです。
検査自体よりも、その準備の方がずっと苦労しました。
たまに受けた方が良い検査
近年、食生活の欧米化に伴って、大腸の病気も急増し、多様化しているそうです。
便の検査(便潜血検査)では見つけにくい早期の癌をはじめとした、大腸の病気をより早い時期に正確に診断するためには大腸粘膜を直接観察できる内視鏡検査が最も有効らしいです。
また、内視鏡検査では大腸粘膜を観察するだけでなく
- 病気の部分を直接採取して詳しく調べることができる
- 腫瘍による出血などをその場で治療できる
- 開腹手術を行わないでポリープを切除できる
のでおすすめです。
内視鏡検査だけなら入院する必要はないので検査した方がいいですよ。
第3食:入院2日目の昼食は「ハヤシライス」
検査を受けて帰宅すると昼ごはんです。
昨晩の食事とは違い、いわゆる常食です。
ベッド備え付けのテーブルにハヤシライスが置いてありました。
ノンオイルドレッシングが添えられた色どり綺麗なサラダもあり、栄養バランスが考えられていると思います。
ハヤシライスのルーはあまり濃くなくて、さっぱりとしていました。
見た目でも光沢が分かると思いますが、小麦粉でとろみをつけるのではなくて、寒天などの低カロリーなものを使っているのかもしれません。
そんなハヤシライス、普通においしく感じました。
もちろん、たまにはジャンクフードやスイーツも食べたいと思うこともあります。
でも、それは手術前も同じでした。
今は、自分の健康のために、できるだけバランスの良い食事を心がけたい時期なので、非常にありがたいと思いました。
手術前後の流れが分かる記事3選
松島病院での出来事を3ページに分けてほぼ時系列で紹介しています。
イボ痔手術の経過を(ほぼ)ノンフィクションで公開!
私(伊保 治郎)のイボ痔手術の治療前から完治まで、入院で体験した日々を克明に紹介しています。よろしければご覧ください。
コメント