痔は、肛門周辺の静脈が拡張したり炎症を起こしたりする病気です。痔になると、お尻が痛かったりかゆかったりするだけでなく、出血や脱肛などの重い症状も起こります。そんな痔のお尻を労わるために、座浴という方法があります。
いぼ痔の恐怖に打ち勝ち、いぼ痔手術系(ほぼ)ノンフィクションサイトの主役を務めることになった千葉県出身の伊保 治郎(43)です。
「いほ はるろう」と読みます。(「いぼじろう」ではありません!)
いぼ痔手術の最前線で、いぼ痔完治に身を捧げた伊保 治郎の、イボのない生活を追求した軌跡をお届けするため、この「いぼ痔サポートセンター」を立ち上げました。
座浴とは
座浴とは、お尻が収まる大きさの洗面器に温かい水を入れ、そこにお尻を5分ほどつけるものです。この方法は、お尻を清潔に保ったり、血流を良くしたり、筋肉をリラックスさせたりすることで、痔の予防や治療に役立ちます 。このページでは、座浴で痔のお尻を労わると起きる変化について詳しくご紹介します。ぜひ参考にしてください。
- お尻が清潔に保たれる。座浴中に指で優しくお尻を洗ってあげると、汚れや細菌を除去することができます。これは、痔の予防や治療にとって重要なことです。
- お尻全体が温められる。座浴によって、お尻の血流が良くなり、新陳代謝が促進されます。これは、痔の原因となる肛門の静脈叢の鬱血予防や、炎症や痛みの緩和に役立ちます。
- お尻の筋肉がリラックスする。座浴によって、お尻の筋肉がほぐれて、緊張が解けます。これは、排便時のりきみや刺激を減らし、痔の悪化を防ぐことにつながります。
座浴でお尻が清潔に保たれる
お尻が清潔に保たれることで、痔の原因となる肛門の炎症や感染を防ぐことができます。また、お尻を洗う際には、肛門の内部や外部の痔核の状態を確認することもできます。これは、痔の進行度や治り具合を把握するために役立ちます。さらに、お尻を洗うことで、排便後の不快感やかゆみを和らげることもできます。これは、日常生活の質を向上させることにつながります。
以上のように、座浴中に指で優しくお尻を洗ってあげると、汚れや細菌を除去するだけでなく、痔の予防や治療に多くのメリットがあります。ただし、お尻を洗う際には、肛門に強い刺激を与えないように注意しましょう。また、肛門周辺の皮膚が切れている場合は、消毒液や塩水などを使って洗うことがおすすめです。
ただし、お尻を洗う際に過度な力をかけることは避けるべきです。優しく洗浄することで、肛門周囲の皮膚を傷つけるリスクを低減するよう配慮してください。また、痔が既にある場合は、洗浄時に痛みや不快感を感じることもあるかもしれませんので、無理をせずに行うようにしてください。
座浴でお尻全体が温められる
お尻全体が温められることで、肛門の静脈叢が拡張しやすくなります。これは、肛門の圧力を下げて、静脈叢に溜まった血液を流しやすくすることにつながります。これにより、痔の原因となる鬱血を予防することができます。また、お尻の血流が良くなることで、肛門周辺の組織に酸素や栄養素が十分に届きます。これは、炎症や損傷を起こした組織の回復を促進することにつながります。さらに、お尻全体が温められることで、肛門周辺の神経が鎮静化されます。これは、痔に伴う痛みや不快感を和らげることにつながります。
以上のように、座浴によってお尻全体が温められると、痔の原因となる肛門の静脈叢の鬱血予防や、炎症や痛みの緩和に多くのメリットがあります。ただし、水温は40度前後のぬるめのお湯が適切です。水温が高すぎると、肛門周辺の皮膚を傷つけたり、逆に血管を拡張させて鬱血を悪化させたりする可能性があります。
また、座浴の時間を過度に長くしすぎると、逆に肛門周囲の皮膚を傷つけるリスクがありますので、適度な時間で行うようにしましょう。
座浴でお尻の筋肉がリラックスする
お尻の筋肉がリラックスすることで、肛門の括約筋や直腸の平滑筋が緩むことになります。これは、排便時に肛門や直腸にかかる圧力を下げて、便の通過をスムーズにすることにつながります。これにより、排便時のりきみや刺激を減らすことができます。また、お尻の筋肉がリラックスすることで、肛門周辺の痙攣やけいれんを防ぐこともできます。これは、痔に伴う痛みや不快感を和らげることにつながります。
以上のように、座浴によってお尻の筋肉がリラックスすると、排便時のりきみや刺激を減らし、痔の悪化を防ぐことに多くのメリットがあります。ただし、座浴後はお尻を優しく拭いて乾かすことが大切です。湿ったまま放置すると、肛門周辺の皮膚が荒れたり、細菌が繁殖したりする可能性があります。
座浴は便秘改善にも良さげ
座浴は、痔の症状を和らげるだけでなく、痔の予防や便秘の解消にも役立つ方法として考えられます。痔の症状を予防するためには、便秘を避けることが重要です。食物繊維を豊富に含む食事を摂取したり、適度な運動を行ったりして便秘を予防しましょう。
- お尻全体が温められることで、お尻の血流が良くなり、新陳代謝が促進されます。これは、便秘の原因となる肛門の静脈叢の鬱血予防や、腸の働きを活発にすることにつながります。
- お尻の筋肉がリラックスすることで、肛門の括約筋や直腸の平滑筋が緩むことになります。これは、排便時に肛門や直腸にかかる圧力を下げて、便の通過をスムーズにすることにつながります。
痔の予防や治療には、以下のような健康的な生活習慣も重要です。
- 食物繊維を豊富に含む食事を摂ることで便秘を防ぐ。
- 適度な運動を行い、体を適切に動かすことで便秘を予防する。
- 過度な圧力をかけないように注意し、長時間の座位を避ける。
- 禁煙する(喫煙は痔を悪化させる可能性がある)。
- 痔の症状が悪化する場合は、早めに医師に相談する。
以上のような健康的な生活習慣とお尻の適切な洗浄を組み合わせることで、痔の症状を和らげることができるかもしれません。しかし、痔の症状が重度な場合や続く場合は、医師の診断と適切な治療を受けることが大切です。
座浴だけで完全に痔を治すことは難しい場合もありますので、健康的な生活習慣と併用することが重要です。食物繊維を豊富に含む食事を摂取し、便秘を予防することや、適度な運動を行い、長時間の座位を避けることも大切です。
最終的には、痔の症状が持続する場合は、医師の診断と適切な治療を受けることが必要です。医師が適切なアドバイスや処方をしてくれるでしょう。
座浴の方法
座浴の方法は、お尻を温めやすい場所で、38〜40℃のぬるま湯に15〜20分浸かるだけです。座浴は毎日行うと効果的です。週に2~3日でもおすすめです。
座浴を行う際には、以下の点に注意してください。
- 座浴中は股を広げてできるだけ肛門に湯が当たるようにしましょう。
- 長時間浸かると、皮膚が乾燥してしまうので、注意してください。
- 座浴中に痛みや出血がある場合は、すぐに中止してください。
- 座浴は、痔の予防や治療に効果的ですが、痔の根本的な治療法ではありません。痔の症状がひどい場合は、医療機関を受診してください。
座浴と入浴のお尻に与える影響の違い
座浴と入浴は、どちらもお尻に温熱効果を与えますが、その影響にはいくつかの違いがあります。
座浴は、お尻を直接温めるため、入浴よりも温熱効果が強くなります。また、座浴は入浴よりも短時間で済むため、忙しい人でも気軽にできます。
入浴は、座浴よりも広範囲のお尻を温めることができます。また、入浴には、座浴にはないリラックス効果があります。
痔の予防や治療に効果的なのは、座浴です。座浴によって、お尻の血流が良くなり、新陳代謝が促進されます。これは、痔の原因となる肛門の静脈叢の鬱血予防や、炎症や痛みの緩和に役立ちます。
ただし、痔の症状がひどい場合は、座浴だけでは治りません。医療機関を受診して、適切な治療を受けることが大切です。
座浴と入浴の違いをまとめると、以下のようになります。
項目 | 座浴 | 入浴 |
---|---|---|
温熱効果 | 強め | 弱め |
時間 | 短時間 | 長時間 |
範囲 | 狭範囲 | 広範囲 |
リラックス効果 | なし | あり |
痔の予防や治療 | 効果的 | 効果的ではない |
入浴で座浴の代わりにするデメリット・リスク
- お尻が温まりすぎる。入浴によって、お尻だけでなく全身が温められます。これは、肛門周辺の血管を拡張させて鬱血を悪化させたり、炎症や出血を増やしたりする可能性があります。
- お尻が刺激されすぎる。入浴中に水圧や摩擦などでお尻が刺激されると、肛門周辺の皮膚を傷つけたり、痔核を刺激したりする可能性があります。
- お尻が清潔に保たれない。入浴中に他の部位から汚れや細菌が流れてきてお尻に付着する可能性があります。また、入浴後に十分にすすぎや拭き取りをしないと、湿ったまま放置することで皮膚が荒れたり、細菌が繁殖したりする可能性があります。
座浴と入浴ではお尻に与える影響が異なることが理解いただけましたか?
特に痔などの肛門周辺のトラブルがある場合は、座浴のほうが入浴よりも安全で効果的です。ただし、座浴も水温や時間などに注意しなければなりません。反対に、座浴だけでは全身の清潔やリラックス効果は十分ではありません。そのため、座浴とシャワーを併用したり、医師や看護師の指示に従って適宜入浴を行ったりすることがおすすめです。
おすすめの座浴グッズ
座浴は肛門周辺のトラブルに効果的なので、座浴グッズを一人一台持っていると安心です。
なお松島病院の座浴器(フロートレイ)は通常の便座に取り付けられないのでお勧めしません。
おすすめできそうな座浴グッズを探してみたのですが、Amazonで1種類しかありませんでした。なのでお勧めと言うよりは一択です。
よもぎ蒸しでも効果はあるのか?
よもぎ蒸しとは、よもぎやハーブなどの薬草を煮出して、その蒸気でお尻を温める方法で、以下のような効果があると言われています。
- 血行を促進し、炎症や痛みを和らげる
- 冷え症の改善
- デトックス効果
- 肛門周辺の清潔・消毒効果
これらの効果は、痔の原因や症状に対して有効であると考えられます。特に、痔の原因の一つである肛門周辺の鬱血を解消することや、痔核や裂肛などの傷口を清潔に保つことができるので、家庭で座浴するならよもぎ蒸しの方が良いのかもしれません。
ただし、よもぎ蒸しについて調べると禁忌事項がありました。例えば、以下のような場合はよもぎ蒸しを避けるべきです。
- 妊娠中や生理中
- 高血圧や心臓病などの持病がある
- 体調が悪いとき
- 熱傷やアレルギー反応が起こったとき
よもぎ蒸しを行う場合は、自宅で行う場合でも専門店で行う場合でも、事前に医師や専門家に相談することがおすすめです。また、よもぎ蒸しだけではなく、食生活や排便習慣などの生活改善も必要です。さらに、症状が重い場合や改善しない場合は、早めに肛門科を受診することが大切です。
痔の座浴によもぎ蒸しは意味がありそうなので、やらないよりはやった方が良いと思います。ただし、よもぎ蒸しはあくまで自然治癒を促す補助的な方法であり、根本的な治療にはならないことを踏まえ、病院に行ってさりげなく聞いてみるのが良いと思います。
よもぎ蒸しをしらないおじいちゃん先生だと「やらなくていい」と言われそうな気がしますが。
それでは、より快適な座浴ライフを満喫してください。
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